Amazonはスクレイピングができない?リスクや注意点を解説
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- 公開日
- 2024.08.05
Amazonにはさまざまな商品が出品されています。
自社がAmazonに出品している場合、他社が出品している商品がどのようなものなのか把握しておくことで、競合分析につなげられます。
また、顧客が商品につけるレビューも分析することで、顧客のニーズに把握に役立つでしょう。
このようにAmazonにまつわるさまざまな情報を把握する際に役立つのが、スクレイピングです。
しかし、スクレイピングを禁止しているWebサイトもあるため、行う際は気を付けなければなりません。
そこで本記事では、スクレイピングの概要やAmazonで実施する注意点などを解説します。
目次
スクレイピングとはサイトの特定情報を取得する技術
スクレイピングとは、サイトから特定の情報だけを取得するプログラミング技術です。
例えばサイトに掲載されているニュース情報だけを抽出する、ECサイトの口コミを抽出するといったことが可能です。
対象となるサイトの情報を得ることで市場調査や競合の状況調査などにつながります。
スクレイピングはサイトの画面上に表示されていない情報も取得可能です。
画像データURLやソースコードなど、画面上からは分からない情報であっても収集できます。
スクレイピングを実施するメリット
スクレイピングを実施することで期待できるメリットは次の通りです。
- 膨大なデータを自動で収集可能
- 新たな情報を取得しやすい
- APIでは取得できない情報も取得できる
以下で一つずつ見ていきましょう。
膨大なデータを自動で収集可能
スクレイピングを実施するメリットの一つは、膨大なデータを自動で収集可能という点です。
サイトにある特定の情報だけを抽出するという作業は、人の手でもできます。
しかし、人が手作業でコピー&ペーストを繰り返して情報を抽出していては膨大な時間が掛かってしまいます。
一方、スクレイピングであればプログラムが自動で特定のサイトにアクセスして、決まった情報をピックアップするため、作業時間を大幅に短縮可能です。
新たな情報を取得しやすい
多くのサイトは不定期で更新されます。
更新後の情報を取得するためには頻繁にサイトを訪れて更新の有無を確認しなければなりません。
一方、スクレイピングであればプログラムに設定しておくことで、対象サイトが更新された後の情報をスムーズに取得可能です。
APIでは取得できない情報も取得できる
スクレイピングと似た技術としてAPIが挙げられます。
APIとはサイトが開発者に向けて提供しているツールです。
APIであってもサイトの情報を収集できます。
しかし、APIで収集できる情報は限定的です。
一方、スクレイピングであればAPIよりも取得できる情報の量が多くなります。
Amazonはスクレイピング禁止? リスクを解説
スクレイピングを活用することで、対象としたサイトのさまざまな情報を収集可能です。
しかし、全てのサイトが対象となるわけではありません。
サイトによってはスクレイピングを認めていないケース、もしくはリスクとなるケースがあるでしょう。
例えば、Amazonでスクレイピングを実施するのはリスクがあると考えられます。
Amazonの利用規約ではサービスを限定的、非独占的、非商業的、個人的に利用する権利を認めています(※)。
しかし、データマイニングやロボットなどのデータ収集・抽出ツールの使用は認められていません。
そのため、スクレイピングもAmazonでは規約違反に当たる可能性があります。
※参考:Amazon.「Amazon.co.jp利用規約」.“利用許可およびサイトへのアクセス”.https://www.amazon.co.jp/gp/help/customer/display.html?nodeId=GLSBYFE9MGKKQXXM ,(2024-06-13).
制限の掛かっていないコンテンツはスクレイピングが認められる可能性がある
Amazonは利用規約においてスクレイピングを禁止しているものの、制限の掛かっていないコンテンツの場合、認められる可能性があります。
これは制限が掛かっていないコンテンツの場合、利用規約に同意したとは言い難いという考え方があるためです。
例えばAmazonの場合、ログインをしないでも閲覧できる商品情報が制限の掛かっていないコンテンツとして挙げられます。
しかし、大量のデータ取得を試みてサイトに負荷を掛けるなど、トラブルの原因になる可能性があるため、いずれにせよAmazonのスクレイピングには注意が必要です。
Amazonでスクレイピングを実施するデメリット
Amazonを対象にスクレイピングを実施するのは利用規約に違反しない可能性があるものの、次のようなデメリットがあります。
- 著作権を侵害しかねない
- 偽計業務妨害罪などに問われかねない
以下で詳しく解説します。
著作権を侵害しかねない
Amazonに限らず、Webサイトに掲載されている情報の多くには著作権が認められます。
そのため、スクレイピングによって著作者に無断で情報を収集することや、収集した情報を無断で使用することは著作権侵害に問われかねません。
偽計業務妨害罪などに問われかねない
サイトに頻繁にアクセスすることに違法性はありません。
しかし、サイトに頻繁にアクセスしたことによってサーバーに負荷が掛かり、サイトが閲覧できない状態になると偽計業務妨害罪に問われる可能性があります(※1)。
スクレイピングによって違法性を問われるのは偽計業務妨害罪だけではありません。
スクレイピングによってサイトが閲覧できなくなった場合、電子計算機損壊等業務妨害罪にも問われる可能性があります(※2)。
※1参考:e-Gov法令検索.「刑法」.“第二百三十三条”.https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=140AC0000000045 ,(2024-06-13).
※2参考:e-Gov法令検索.「刑法」.“第二百三十四条の二”.https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=140AC0000000045 ,(2024-06-13).
スクレイピング以外のAmazonの情報収集方法
スクレイピングを実施せずにAmazonの情報を収集する方法は次の通りです。
- APIを活用する
- データを専門の業者から購入する
- 手動でデータを収集する
APIを活用する
Amazonの情報を収集したいときには、APIを活用してみましょう。
AmazonはAPIとしてAmazon Product Advertising APIを発表しています。
Amazon Product Advertising APIを活用することで商品情報やセール情報、レビューなどを把握可能です。
Amazon Product Advertising APIはAmazonが公式にリリースしているため、どれだけ使用してもトラブルにつながるリスクがありません。
しかし、データを収集するためにはプログラミングが必要になる上に、時間単位で取得できるデータ量に制限があります。
そのため、多くの情報を収集したいといった場合は使い勝手の悪さを感じるかもしれません。
データを専門の業者から購入する
スクレイピング、APIを自社で活用しなくとも、Amazonからの情報収集は可能です。
例えばデータプロバイダーと呼ばれる専門業者から情報を購入するという手が挙げられます。
データプロバイダーではさまざまな情報を取り扱っています。
データプロバイダーから情報を購入することで、費用は掛かるものの自社の負担を掛けずに情報収集が可能です。
手動でデータを収集する
スクレイピングを用いずにAmazonのデータを収集する方法として、手動でのデータ収集が挙げられます。
手動でのデータ収集は時間が掛かってしまうものの、サーバーに負荷を掛ける心配がありません。
また、限られた情報だけを抽出するのであれば時間を掛けずに作業を進められます。
スクレイピングがリスクに当たるサイトはAmazonだけではない
スクレイピングの実施がリスクに当たるサイトはAmazonだけではありません。
例えば、X(旧Twitter)やFacebookなどではスクレイピングが認められていません。
スクレイピングが可能かどうかを確認する際は次のようなステップを踏みましょう。
- 利用規約を確認する
- APIの提供有無を確認する
- robot.txtを確認する
利用規約を確認する
スクレイピングが禁止されていないかどうかは利用規約で確認します。
大手サイトの多くが利用規約をサイト上で公表しています。
規約にスクレイピングの文字がないか、スクレイピングに関連する記載がないかを確認しましょう。
なお、サイトによっては利用規約が公開されていない可能性があります。
利用規約が公開されていない、もしくは作成されていないのであれば、スクレイピングが問題視されるリスクは少ないでしょう。
APIの提供有無を確認する
スクレイピングを認めていないサイトは独自のAPIを提供しているのが一般的です。
そのため、APIが提供されているかどうかから、スクレイピングの可否を見極めましょう。
robot.txtを確認する
robot.txtとは収集されたくないコンテンツを制御するファイルです。
robot.txtを確認して、プログラムによるアクセスを認めているかが判断できます。
プログラムによるアクセスを認めていないのであれば、スクレイピングは避けましょう。
スクレイピングを実施する際の注意点
Amazonに限らず、スクレイピングを実施する際は次のような注意点を押さえておきましょう。
- 対象サイトへのアクセス頻度を制限する
- スクレイピングで得たデータの使用目的を明確にする
- 専門家のアドバイスを得る
対象サイトへのアクセス頻度を制限する
スクレイピングは対象のサイトに負荷を掛けてしまいます。
その結果、サイトが閲覧できなくなる可能性もあるでしょう。
このように対象サイトに不利益を与えないためには、アクセス頻度を制限しましょう。
対象サイトのアクセス頻度を制限することで、相手への不利益を回避できます。
スクレイピングで得たデータの使用目的を明確にする
スクレイピングを実施する際は、得たデータの使用目的を明確にしておきましょう。
収集したデータは合法的な使用のみでしか認められません。
そのため、なぜ情報を使用するのかを明確にして、適切な運用につなげましょう。
また、知り得た情報を適切に取り扱うために社内でコンプライアンスの意識を高めることも大切です。
例えば、著作権侵害についての罰則やどのような行為が著作権侵害に当たるかなどを従業員同士で共有しましょう。
専門家のアドバイスを得る
スクレイピングにはさまざま法律が関わります。
そのため、弁護士をはじめとした専門家のアドバイスを得るのがおすすめです。
特にスクレイピングの実施を禁止しているのかどうか分からないサイトが対象になる場合は、専門家のサポートがあると心強いでしょう。
Amazonの情報を分析するならテキストマイニングツールの導入もおすすめ
Amazonには商品情報をはじめ、さまざまな情報が掲載されています。
中でも商品についてのレビューは市場動向や顧客の商品への感想を調査するのに効果的です。
Amazonのレビューを分析する際はテキストマイニングツールの導入がおすすめです。
例えばテキストマイニングツールである『KAIZODE』であればAmazonに限らずさまざまなレビューやSNSの口コミから顧客の行動や考えを分析できます。
スクレイピングやAPIによって得た情報をCSVやID、テキストのファイル形式でアップロードすることで即時分析が可能です。
『KAIZODE』はAIがレビューやSNSの投稿内容などを判断します。
AIは判断した内容に基づいて6段階評価を下すため、サービス改善や施策立案のための意思決定として役立てることが可能です。
また、『KAIZODE』はキーワードごとにレビューやSNS投稿を分類します。
テキストに共通するキーワードを抽出することで、顧客の行動や感情を把握可能です。
スクレイピングはリスクに配慮した上で実施しよう
スクレイピングとはサイトから特定の情報だけを取得するプログラミング技術を指します。
スクレイピングを実施することで大量の情報を短時間で取得可能です。
しかし、AmazonやX(旧Twitter)をはじめ、利用規約においてスクレイピングの実施を認めないことを打ち出しているサイトもあります。
利用規約で禁止されていたとしても、制限の掛かっていないコンテンツであれば収集が認められる可能性があります。
スクレイピングを実施する際は対象サイトへの負荷や情報の取り扱いに注意しましょう。
レビューやSNSに投稿された内容を分析するなら、テキストマイニングツールである『KAIZODE』の活用がおすすめです。
『KAIZODE』であればレビューやSNSの投稿内容を通じて、顧客の考えや行動を分析できます。
AmazonのレビューやSNSに投稿された内容を効率的に分析したいとお考えの方は、お気軽にご相談ください。
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