ECサイトで分析すべきデータは?分析手順や専用ツールも解説
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- 2024.08.05
ECサイトを運営する際は、定期的にデータを分析していくことが大切です。
ECサイトの状況を分析する際は、どれだけの売上や利益率があるかといったデータだけでなく、ユーザーの属性や離脱率などのデータにも目を向けることが大切です。
本記事では、ECサイトにおけるデータ分析の重要性や、ECサイトで分析すべきデータ、分析方法などを解説します。
目次
- ECサイトはデータ分析によって収益向上が期待できる
- ECサイトで分析すべき13のデータ
- 1. 売上高は集客数、コンバージョン率、顧客単価で構成される
- 2. 利益率はECサイトの収益性を示すデータ
- 3. アクセス数はサイトに訪問した人の数
- 4. コンバージョン率とはサイト訪問者のうち商品購入に至った人の割合
- 5. 顧客単価は顧客一人が一度の購入で使用する金額
- 6. 生涯顧客単価が高ければ自社に多くの利益をもたらす
- 7. ユーザー属性を分析すればECサイトを利用している層が分かる
- 8. 離脱率はサイトを離脱した人の割合
- 9. 直帰率は一ページのみで離脱した人の割合
- 10. 会員数が多ければさまざまな方法でアプローチできる
- 11. CPAは顧客獲得に掛かった費用
- 12. ROASは広告の費用対効果
- 13. ROIは投資に対しての利益率
- ECサイトのデータ分析を実施する手順
- ECサイトのデータを分析する際の注意点
- ECサイトのデータ分析で役立つツール
- ソーシャルリスニングツールを活用するのもおすすめ
- ECサイトではデータ分析を実施して売上向上につなげよう
ECサイトはデータ分析によって収益向上が期待できる
ECサイトにただ商品を掲載して販売するだけでは、収益向上が実現しない可能性があります。
ECサイトの収益向上を目指すのであれば、積極的にデータ分析を進めましょう。
ECサイトにまつわるさまざまな数値を分析すれば、収益向上につなげられます。
ECサイトで分析すべき13のデータ
ECサイトの収益向上を目指すためには、次のようなデータに着目し分析を進めましょう。
- 売上高
- 利益率
- アクセス数
- コンバージョン率
- 顧客単価
- 生涯顧客単価
- ユーザー属性
- 離脱率
- 直帰率
- 会員数
- CPA
- ROAS
- ROI
以下で一つずつ解説します。
1. 売上高は集客数、コンバージョン率、顧客単価で構成される
売上高はECサイト運営において重要なデータです。
次のような計算方法で算出できます。
- 売上高=集客数×コンバージョン率×顧客単価
上記の計算式から分かる通り、売上高は集客数とコンバージョン率、顧客単価の3つのデータで構成されます。
例えば集客数が好調にもかかわらず売上高が芳しくないのであれば、コンバージョン率や顧客単価に課題がある可能性があるでしょう。
2. 利益率はECサイトの収益性を示すデータ
ECサイトであっても、実店舗と同様に利益率は重要なデータです。
利益率は売上高に対しての利益の割合で、高ければ高いほどECサイトの運営効率や競争力が高いといえます。
利益率を算出するには、最初に次のような方法で利益を算出します。
- 利益=売上-経費
利益を算出したら次の計算方法で利益率を算出しましょう。
- 利益率=利益÷売上×100
例えばECサイト全体の売上が1,000万円、経費が600万円だった場合、利益率は次の通りです。
- (1,000万円-600万円)÷1,000万円×100=40%
3. アクセス数はサイトに訪問した人の数
アクセス数とはECサイトに訪問した人の数で、集客数とも呼ばれています。
アクセス数は大きく次の3つに分かれています。
- ユニークユーザー数:サイトに訪問した人の数
- PV数:ページが表示された回数
- セッション数:特定の期間におけるユーザーの訪問回数
4. コンバージョン率とはサイト訪問者のうち商品購入に至った人の割合
コンバージョン率(CVR)とはサイトを訪問した人のうち、ECサイトの目的に至った人の割合です。
多くのECサイトは商品購入を目的(CV)としています。
そのため、ECサイトにおけるコンバージョン率とは商品購入に至った人の割合といえるでしょう。
CVRは次のような方法で算出可能です。
- CVR=CV数÷アクセス数×100
例えばアクセス数が10,000件、CV数が100件の場合、CVRは次の通りです。
- 100件÷10,000件×100=1%
5. 顧客単価は顧客一人が一度の購入で使用する金額
顧客単価とは、一人の顧客が一度の購入でどれだけの金額を使用したかを示すデータです。
顧客単価を高めることで売上の向上につなげられます。
集客施策を講じるよりも、顧客単価を高める方が効率的に売上を向上させられる可能性もあります。
顧客単価は次のような計算方法で算出可能です。
- 顧客単価=売上高÷顧客人数
例えば売上が1,000万円、客数が500人であれば顧客単価は次の通りです。
- 1,000万円÷500人=2万円
6. 生涯顧客単価が高ければ自社に多くの利益をもたらす
生涯顧客単価はLTV(Life Time Value)とも呼ばれるデータです。
生涯顧客単価は顧客が取引をスタートさせてから終了するまでの期間に、ECサイトにどれだけ利益をもたらしたかを示しています。
生涯顧客単価は次のような方法で算出可能です。
- 生涯顧客単価=平均購買単価×購買頻度×継続購買期間
生涯顧客単価が高ければ高いほど、ECサイトを頻繁に利用し利益をもたらしていることになります。
7. ユーザー属性を分析すればECサイトを利用している層が分かる
ユーザー属性は、ユーザーを年齢や性別などの属性で分けた際のデータです。
ユーザー属性に分けて分析すれば、どのような層にECサイトが利用されているのか、どのような層がECサイトを利用していないかを把握できます。
ユーザーの属性を把握することで、それぞれに合った商品のアプローチも可能になります。
8. 離脱率はサイトを離脱した人の割合
離脱率はECサイトの中の一ページと、サイト全体を離脱した人の割合の2つに分けられます。
それぞれ離脱率は次のような計算式で算出可能です。
- ページの離脱率:ページの離脱数÷ページのページビュー数×100
- サイト全体の離脱率:サイト全体の離脱数÷サイト全体のページビュー数×100
ユーザーが1度サイトを訪問すると1回の離脱は発生するため、サイト全体の離脱数は訪問数ともいえます。
離脱率が高いページは、訪問者からすると魅力的に映っていない可能性があります。
9. 直帰率は一ページのみで離脱した人の割合
直帰率はECサイト訪問後に、一ページのみ閲覧した人の割合です。
直帰率はページごとに、次のような計算方法で算出できます。
- 直帰率=直帰数÷セッション数
セッション数とは、ユーザーがECサイトにアクセスした回数を表す数字です。
直帰率が高いと多くのユーザーがECサイトに魅力を感じずに、すぐに離脱してしまったと考えられます。
しかしECサイトの場合は、直帰率が高いからといって必ずしも成果が得られていないとは限りません。
ECサイトの中でも商品に特化したページであるLPから流入し、商品購入に至った場合も直帰数にカウントされるため、直帰率が高いからといって成果につながっていないとは言い切れないのです。
10. 会員数が多ければさまざまな方法でアプローチできる
ECサイトで会員制度を設けているのであれば、会員数も分析するデータの一つです。
会員制が多ければ、DMやメールなどさまざまな方法でアプローチが可能です。
11. CPAは顧客獲得に掛かった費用
CPAはCost Per Acquisitionの略で、顧客獲得までに掛かった費用を指します。
例えばECサイトの顧客一人、成約一つ当たりに対して、どれだけの広告費を費やしたか分かります。
CPAは次のような計算方法で算出可能です。
- CPA=広告費用÷コンバージョン数
CPAが高い場合、広告費用を掛けたにもかかわらず成果が上げられていないことになります。
12. ROASは広告の費用対効果
ROASはReturn On Advertising Spendの頭文字を取った言葉で、広告の費用対効果を示したデータです。
ROASが高ければ広告が効率的な成果を出しているといえます。
一方、ROASが低いと効果的に広告を運用できていない状態です。
ROASは次のような計算で算出可能です。
- ROAS=広告からの売上÷広告費×100
13. ROIは投資に対しての利益率
ROIはReturn On Investmentの略で、投資に対してどれだけの利益率が出ているかを示すデータです。
ROIが高ければ高いほどECサイトにおいて効率的な投資ができているといえます。
ROIは次のような方法で算出可能です。
- ROI=利益÷投資額×100
ECサイトのデータ分析を実施する手順
ECサイトでデータ分析を実施する際は、次のような手順で進めていくのが一般的です。
- ECサイトのデータを解析する
- 仮説を立てる
- 施策を実行する
- 結果を検証する
ECサイトのデータを解析する
ECサイトのデータを解析する際は、なぜデータ分析に取り組むのか目的を明確にしておくことが大切です。
目的によっては解析すべきデータが異なります。
ECサイトのデータ解析に当たっては手動ではなく、専用のツールを活用しましょう。
手動では解析に時間が掛かってしまいます。
仮説を立てる
ECサイトのデータを解析したら仮説を立てます。
複数の仮説を比較しながら進めれば、具体的な仮説立案につなげることが可能です。
また、仮説を立てる際は顧客が何を求めているのかを考えることも大切です。
そのためには顧客がECサイトでどのような行動を取っていたかを確認しましょう。
施策を実行する
立案した仮説に基づいて施策を立案します。
ECサイトのデータ分析はただ解析しただけでは、改善につながりません。
分析結果に基づいて施策を講じることが大切です。
なお施策を立案する際に複数の案で迷っているなら、サイトの目的に近い工程で施策を講じれば高いインパクトを得られます。
結果を検証する
ECサイトのデータ分析では実行した施策の効果検証も大切です。
施策を講じてから一定期間が経過したら、最初と同じ条件でECサイトのデータを解析します。
ECサイトのデータを解析して、望んでいる結果が得られなかった場合は、別の施策を講じる必要があります。
ECサイトを改善する施策は、実行したら分析する流れを繰り返すことで、施策の精度を高められるでしょう。
ECサイトのデータを分析する際の注意点
ECサイトのデータを分析する際は次のような点に注意しましょう。
- 目的を明確にしておく
- 問題や課題のあるページから改善していく
- 顧客の購買行動を考える
目的を明確にしておく
ECサイトのデータを分析する際は目的、課題を明確にしておくことが大切です。
漠然とした状態でECサイトの分析や改善に取り組んでも、望むような結果が得られません。
ECサイトのデータを分析して、改善につなげるのであれば、具体的な目的を設定しておきましょう。
影響の大きいページから改善していく
ECサイトのデータ分析によるサイト改善に当たっては、影響の大きいページから取り組みましょう。
影響の大きいページから改善に取り組めば、成果が出たときのインパクトが大きくなります。
例えば多くのユーザーが閲覧しているページと、限られたユーザーだけが閲覧しているページの2つでは、前者の方が改善による効果が大きくなるでしょう。
顧客の購買行動を考える
ECサイトのデータ分析を進める前に、顧客の購買行動を考えておきます。
顧客の購買行動を考える際には、次のような2つフレームワークを活用可能です。
- AIDMA(アイドマ)
- AISAS(アイサス)
AIDMAは典型的な購買行動パータン
AIDMAは、次のそれぞれの頭文字を取った用語です。
- A:Attention(認知)
- I:Interest(関心)
- D:Desire(欲求)
- M:Memory(記憶)
- A:Action(購入)
AIDMAは顧客が商品の認知から購入に至るまでの典型的な購買行動パターンとされています。
上記を見て分かるように、顧客は商品を認知したらすぐに購入するわけではありません。
ECサイトには、顧客が商品の記憶を忘れないように強く留めてもらう工夫が必要です。
AISASは情報拡散が含まれる購買行動パターン
AISASは次のそれぞれの頭文字を取った用語です。
- A:Attention(認知)
- I:Interest(関心)
- S:Search(検索)
- A:Action(購買)
- S:Share(共有)
AIDMAに対して、AISASはインターネットで商品を購入した顧客の購買行動パターンです。
インターネットで商品を購入した顧客は口コミサイトやSNSなどで商品情報を共有します。
そのためECサイトの場合、AISASも考慮して戦略を立案することで売上の向上につなげられます。
ECサイトのデータ分析で役立つツール
ECサイトのデータ分析を進める際は専用のツールを活用しましょう。
ECサイトのデータ分析で役立つツールは次の通りです。
- ECサイト分析ツール
- ヒートマップツール
ECサイト分析ツール
ECサイトの分析ツールの代表例として、Google Analytics(GA)が挙げられます。
GAはGoogleが発表している無料のサイト解析ツールです。
GAに紐づけされたサイトのアクセス数について、さまざまな情報を取得可能です。
しかし、GAだけではユーザーの細かな行動などは追えません。
さらに深く分析するには、有料のサイト分析ツールの導入を検討する必要があります。
ヒートマップツール
ヒートマップツールとはサイトを訪れたユーザーが、どのようなテキストやビジュアルに興味があったのかを視覚的に判断できるようにしたツールです。
ヒートマップツールを活用すれば、ユーザーがページのどこに興味がなかったのかなどを判断できるため、改善につなげられます。
Microsoftでは無料のヒートマップツールであるMicrosoft Clarityを提供しています。
ソーシャルリスニングツールを活用するのもおすすめ
ECサイトの改善にはソーシャルリスニングツールの活用もおすすめです。
ソーシャルリスニングツールとは、SNSやブログ、掲示板、口コミサイトなどの投稿内容を収集して分析できるツールです。
任意のキーワードや話題についての投稿を自動で抽出するため、ユーザーがどのようなニーズを抱えているか、競合他社がどのような状況かなどを把握できます。
例えばECサイトのプロモーションを講じた際、どれだけの反響があるのかをSNSやブログなどから判断できます。
ソーシャルリスニングツールを活用してECサイトの改善を実現する
ソーシャルリスニングツールを活用すれば、キャンペーンの内容やSNS運用についてなど、ECサイトに関するユーザーの意見を吸い上げられます。
ソーシャルリスニングツールで吸い上げた意見を分析することで、ECサイトの改善につなげられるでしょう。
ECサイトではデータ分析を実施して売上向上につなげよう
ECサイトでは、商品を掲載して販売しているだけでは、望む売上につながらない可能性があります。
売上向上を実現するのであれば、売上高や利益率、アクセス数、コンバージョン率、顧客単価などのデータを分析しましょう。
データを分析する際は目的を明確にする、問題や課題のあるページから改善していく、顧客の購買行動を考えるなどの注意点を押さえておくことが大切です。
ECサイトのデータ分析では、ECサイト分析ツールやヒートマップツールなどの専用ツールを活用しましょう。
分析ツール、ヒートマップツールだけでなく、ソーシャルリスニングツールの活用もおすすめです。
ソーシャルリスニングツールであれば、SNSや口コミサイトでECサイトや施策の評判を確認できます。
リサーチ型テキストマイニングツールKAIZODEは、SNSや口コミなどから顧客の行動や考えを読み取れるため、ECサイトのサービス改善や商品開発などにつなげられます。
ECサイトのデータ分析や改善を検討している方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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