テキストマイニングの活用事例を紹介! 流れや分析手法も解説
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- 公開日
- 2025.08.22
大量の文章データを前にして「どこから手をつければよいのか分からない」と感じた経験はありませんか。
アンケートの自由回答やSNSの投稿、顧客のレビューには貴重な意見が含まれていますが、目視だけで整理するのは難しいものです。
こうした課題に対して注目されているのが「テキストマイニング」です。
本記事では、テキストマイニングの基礎知識や、活用事例、分析手法、導入時の流れについて分かりやすく解説します。
業務効率化や顧客理解を進めたい方は、ぜひ参考にしてください。
目次
テキストマイニングとは?
テキストマイニングとは、大量の文章データから有益な情報や洞察を見つけ出す技術のことです。
マイニング(mining)には「採掘」という意味があり、膨大なテキストの中から価値ある要素を掘り起こすイメージで捉えると分かりやすいでしょう。
具体的には、単語を分割して頻出語を抽出したり、単語同士の関連性を調べたりすることで、隠れた傾向やパターンを明らかにします。
近年では、自然言語処理(NLP)の進歩や生成AIとの組み合わせにより、より高度で多言語対応の分析も可能になりました。
例えば顧客レビューを解析し、共通する不満点や好意的なポイントを発見すれば、商品改善や新サービス開発に役立てられます。
データマイニングとの違いは?
テキストマイニングとよく混同されるのがデータマイニングです。
両者は目的が似ていますが、対象とするデータが異なります。
テキストマイニングは「文章」という非構造化データを扱い、自由回答アンケートやレビュー、SNS投稿、コールセンターの会話記録などを分析対象とします。
一方、データマイニングは売上データや購買履歴、センサー値といった数値や構造化データを扱い、統計的手法でパターンや相関を発見する手法です。
近年は非構造化データの割合が増えており、テキストマイニングは従来では数値化が難しかった定性的情報を扱える点で強みを発揮します。
両者を組み合わせれば、より多面的な顧客理解や市場分析へとつなげることができます。
テキストマイニングの活用事例
テキストマイニングは、ビジネスから研究、公共分野まで幅広く活用されています。
以下では代表的な事例を取り上げ、どのように実務で生かされているかを解説します。
顧客の声・体験を取りまとめる
顧客の声を収集・分析することは、企業の成長に欠かせません。
テキストマイニングを使えば、アンケートの自由回答や商品レビューから顧客のニーズや不満を体系的に抽出できます。
例えばコールセンターの会話記録やクレーム対応履歴を分析すれば、改善すべき点や解約の予兆を早期に把握することも可能です。
また、SNSの投稿を感情分析してブランドに対する好意や不満を数値化すれば、NPS調査やブランド評価の補強にもつながります。
さらに、ソーシャルリスニングと組み合わせることで、潜在的な課題や新しい需要を把握し、CX(顧客体験)の向上施策に生かせます。
定性的なデータを定量的に処理できる点が、テキストマイニングの大きな利点です。
商品開発やマーケティングに役立てる
テキストマイニングは、商品開発やマーケティング戦略の強化にも大きく貢献します。
商品レビューやSNSの投稿を集約して分析すれば、消費者が評価する理由や不満点を体系的に把握することが可能です。
そこから得られる知見は、新商品の企画や既存商品の品質改善に役立ちます。
また、広告キャンペーンやCMに対する反応を分析すれば、改善すべき表現やターゲット層の特性を明確にできます。
さらに、SNSで話題になっているテーマを調査することで、市場のトレンドや将来のニーズを予測することも可能です。
例えば、航空業界では機内食やエンターテインメントに関する声を分析し、サービス改善に生かしています。
こうした取り組みにより、企業は消費者のタイプを分類し、効果的なマーケティング施策を展開できるのです。
社内の業務改善・効率化
テキストマイニングは、社内業務の効率化にも有効です。
例えば、迷惑メールを自動で判別するフィルタリング機能は、日常業務の負担軽減につながります。
また、営業日報や報告書を分析して知見を共有すれば、属人化を防ぎ、ナレッジマネジメントを強化できます。
さらに、FAQやマニュアル整備に必要な情報を抽出することで、社員や顧客からの問い合わせ対応を効率化できます。
人事分野では、従業員アンケートや評価コメントを分析し、エンゲージメントや組織課題を把握することも可能です。
さらに、IR資料や株主向けメッセージの傾向を分析すれば、投資家コミュニケーションの改善にもつながります。
ただし、従業員データを扱う際はプライバシー保護や倫理的な配慮が欠かせません。
テキストマイニングの主な分析手法
テキストマイニングには複数の分析手法があり、それぞれ目的や得意分野が異なります。
文章を分類するもの、傾向を見つけるもの、感情を数値化するものなど多様です。
以下で代表的な例を紹介します。
主成分分析
主成分分析は、大量で複雑なテキストデータを整理し、主要な情報を抽出するための統計的手法です。
多次元のデータを少数の軸(主成分)にまとめることで、全体像を把握しやすくします。
例えば、アンケートの自由回答を分析して「価格」「デザイン」「使いやすさ」といった要素ごとに整理すれば、代表的な意見の傾向を掴めます。
また、顧客レビューを主成分ごとにグループ化すれば、消費者タイプの違いを明確にすることも可能です。
こうした特徴量の削減やデータの可視化は、複雑な情報を直感的に理解する助けとなります。
数理的には高度な計算を用いますが、実務では「大量の声を整理して見やすくまとめる方法」と理解するとイメージしやすいでしょう。
形態素解析
形態素解析は、日本語の文章を単語単位に分割し、品詞を特定する技術です。
英語では単語ごとにスペースがあるため区切りやすいのに対し、日本語は単語の境界が明示されないため、分析前に高度な処理が必要です。
この工程によって「動詞」「名詞」「形容詞」といった単語情報を抽出でき、頻度分析や感情分析などの基盤となります。
代表的なツールにはMeCabやJanomeがあり、オープンソースとして広く利用されています。
例えば「この商品は使いやすい」という文を解析すれば、「商品(名詞)」「使う(動詞)」「やすい(形容詞)」といった要素に分解されます。
これにより、ポジティブな表現や改善点を自動で抽出できるのです。
生成AIと組み合わせれば、より精度の高い分析や応答生成にも応用できます。
構文解析
構文解析は、文章内の単語同士の関係を明らかにする分析手法です。
形態素解析で品詞が特定された単語を基に、どの単語が修飾しているのか、あるいは修飾されているのかといった「係り受け関係」を抽出します。
これにより、文章の意味をより正確に理解できます。
例えば「デザインは良いが、価格が高い」という文では、ポジティブとネガティブの要素が混在しています。
構文解析を用いれば、「良い」が「デザイン」にかかり、「高い」が「価格」にかかることを認識でき、文意を正しく解釈できるのです。
この技術は、感情分析の精度向上や機械翻訳、チャットボットの自然な応答生成にも応用されています。
代表的なツールにはCaboChaなどがあり、日本語の文脈理解を支える重要な技術です。
センチメント分析
センチメント分析は、テキストからポジティブ・中立・ネガティブといった感情を分類する手法です。
口コミやSNS投稿、商品レビューなどを対象に、人々の感情を数値化して可視化できます。
例えば「この商品は便利だけれど少し高い」といった曖昧な表現も、センチメント分析によって「便利=ポジティブ」「高い=ネガティブ」と分解され、総合的な印象を評価できます。
企業はこの手法を活用することで、ブランド評価の変化を把握したり、顧客満足度の改善に役立てたりすることが可能です。
さらに、金融市場では投資家の心理を分析する手法としても利用され、選挙予測や炎上リスク検知など幅広い分野で応用が進んでいます。
AIチャットボットに組み込めば、ユーザーの感情に寄り添った対応も可能になります。
対応分析
対応分析は、複数の要素間の関係性を可視化する手法です。
クロス集計表のデータを二次元のマップに表すことで、項目同士の関連性を直感的に理解できます。
例えば「ブランドAを選ぶ顧客は若年層に多い」「ブランドBは価格重視層に好まれる」といった傾向を視覚的に示すことが可能です。
この特徴を生かし、企業はブランド戦略の方向性や競合との差別化ポイントを見つけやすくなります。
アンケート調査では、消費者の回答と商品特性の関係を整理するために利用されることが多く、ブランドポジショニングマップを作成するのにも役立ちます。
数理的には複雑ですが、「データの関係を図として示し、理解しやすくする技術」である点で役立つといえるでしょう。
共起分析
共起分析は、文章の中で同時に現れる単語の組み合わせを抽出する手法です。
単語同士の関係をネットワーク化し、どの言葉が一緒に使われやすいのかを可視化できます。
これにより、商品やブランドに対する連想やイメージを把握することが可能です。
例えば、ある飲料についての口コミを分析したとき、「爽やか」「夏」「炭酸」といった単語が頻繁に共起すれば、消費者はその飲料を「夏にぴったりの炭酸飲料」と捉えていることが分かります。
SNSでは、特定のハッシュタグと一緒に使われる関連ワードを調べることで、トレンドやユーザーの関心を把握できます。
共起分析は、商品イメージや広告戦略を考える上で有効な情報源となるのです。
テキストマイニングの大まかな流れ
テキストマイニングは、闇雲にデータを処理するのではなく、一定の流れに沿って進めることで効果を発揮します。
以下では各ステップを順に解説します。
目的を明らかにする
テキストマイニングを始める際、最初にすべきことは目的をはっきりさせることです。
顧客のニーズや不満を知りたいのか、自社の課題を特定したいのか、市場トレンドを把握したいのかによって、必要なデータや手法が大きく変わります。
目的が曖昧なまま進めると、膨大なデータを集めても役立つ知見が得られない恐れがあります。
例えば、マーケティング部門なら「顧客の購入理由を把握する」、人事部門なら「従業員満足度の低下要因を見つける」といった具体的なゴールを設定することが大切です。
分析の成功は、この目的設定にかかっているといっても過言ではありません。
仮説を立てておく
目的を明確にしたら、次に「仮説」を立てておくことが重要です。
仮説は「この条件ならこういう傾向が見られるはず」という前提を立てることで、どのデータを収集すべきか、どの分析手法を使うかを効率的に決められます。
例えば「若年層は価格よりデザインを重視しているはず」といった仮説を立てれば、それを検証できるレビューやアンケートに絞ってデータを収集することが可能です。
分析後に仮説と結果を比較することで、新しい気づきや予想外の発見につながります。
このプロセスはABテストと似ており、仮説と検証のサイクルを回すことで分析の精度と実用性が高まります。
データを集める
仮説を立てたら、次は分析対象となるテキストデータを収集します。
データ源は多岐にわたり、SNS投稿やブログ記事、商品レビュー、アンケートの自由回答、メールや問い合わせ履歴、さらにはコールセンターの通話記録などが含まれます。
こうしたデータを集める際には、単に量を増やすだけではなく、目的に沿った質の高い情報を選ぶことが重要です。
公開情報と企業が保有するデータを組み合わせれば、多角的な分析が可能になります。
ただし、個人情報や著作権の取り扱いには十分注意が必要です。
データ収集の範囲を広げ過ぎるとノイズも増えるため、目的に直結するデータに絞り込むことが効果的です。
分析にかける前にデータを精査する
集めたデータはそのままでは使えず、分析前に「前処理」を行う必要があります。
これを怠ると誤った結果につながるため、精査は非常に重要です。
具体的には、誤字や脱字の修正、不要な記号や特殊文字の削除、大文字と小文字の統一、表記ゆれの整理(例:「メール」「Eメール」「eメール」)などを行います。
さらに、「です」「ます」といった頻繁に現れるが意味のない単語(ストップワード)の削除や、日本語特有の分かち書き処理も必要です。
こうした前処理を徹底することで、ノイズが減り、分析結果の精度が大きく向上します。
単なる手順ではなく「正確な分析のための必須ステップ」と考えることが大切です。
データを分析・検証する
前処理を終えたテキストデータは、いよいよ分析段階に進みます。
基本としては、単語の出現頻度を集計し、よく使われる表現やキーワードを把握するのが一般的です。
さらに、センチメント分析で感情傾向を分類したり、共起分析で関連する単語のつながりを明らかにしたりと、目的に応じて多様な手法が用いられます。
主成分分析や対応分析を使えば、複雑なデータを整理し、全体像や特徴的なグループを掴むことが可能です。
分析結果は表やグラフ、チャート、ネットワーク図などで可視化することで直感的に理解しやすくなります。
ダッシュボード化すれば、リアルタイムでの把握やBIツールとの連携も可能です。
重要なのは、手法を選ぶだけでなく「なぜ有効なのか」を理解し、結果を業務の意思決定につなげることです。
まとめ
テキストマイニングは、大量の文章データから有益な情報を抽出する技術であり、データマイニングとは対象領域が異なるものの、組み合わせて活用することで多角的な分析が可能になります。
顧客の声を整理したり、商品開発やマーケティングに生かしたり、社内業務の改善に応用したりと、その活用範囲は広がり続けています。
さらに、主成分分析・形態素解析・構文解析・センチメント分析・共起分析など、多彩な手法を目的に応じて選択できる点も魅力です。
本記事では、テキストマイニングの基本から活用事例、具体的な分析手法、実施の流れまでを解説しました。
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