アンケート分析の手法とは? 実施する際のポイントも併せて解説
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- 公開日
- 2025.08.22
アンケートを実施しても、どのように集計や分析を行えばよいのか分からず悩む方は少なくありません。
せっかく集めた回答を活用できなければ、顧客の声を商品改善やサービス向上に結び付ける機会を逃してしまいます。
分析方法を誤ると、誤解したまま方針を決めてしまうリスクもあるでしょう。
そこで本記事では、アンケート分析の基本的な集計方法や進め方を分かりやすく解説します。
ぜひ参考にしてください。
目次
アンケート分析で必要な集計の方法
アンケート分析を行う前に、基本的な集計方法について押さえておきましょう。
以下で3つの集計方法を解説します。
単純集計
単純集計とは、各設問に対して得られた回答数を集計し、その割合や比率を算出する最も基本的な手法です。
例えば「満足している」「不満がある」といった回答を全体で何割が選んだのかを示すことで、全体像を直感的に把握できます。
単純集計の大きなメリットは、調査結果の傾向を素早く把握できる点です。
顧客満足度調査や利用実態調査など、幅広いシーンで役立ちます。
さらに、定期的に実施すれば、数値の変化からトレンドや課題の発見につなげられます。
棒グラフや円グラフなどで可視化すると、誰にでも分かりやすく共有できるのも利点です。
単純集計は分析の「基礎」として欠かせない工程であり、その後に行うクロス集計などの出発点として位置付けられます。
クロス集計
クロス集計とは、複数の設問を掛け合わせて回答傾向を比較する手法です。
例えば「性別×満足度」や「年代×利用頻度」といった組み合わせで表を作成すると、単純集計では見えにくい層ごとの違いが明らかになります。
ExcelやGoogleスプレッドシートのピボットテーブル機能を使えば、手軽にクロス集計を実施できます。
活用場面としては、ターゲット層を明確にした施策の設計や、説得力のある企画提案などが挙げられるでしょう。
ただし、十分な回答数がない場合には偏った結論になりやすいため注意が必要です。
また、仮説を持たずに項目を掛け合わせても有用な示唆は得にくいため、事前に目的を明確にして実施することが重要です。
自由記述分析などと組み合わせれば、より深い理解にもつながります。
自由記述集計
自由記述集計とは、回答者が文章で記入した感想や意見を集計・分析する方法です。
選択肢形式の数値回答と異なり、自由記述では個別の表現が多様なため、単純な数値化が難しいという特徴があります。
そのため、キーワードの出現頻度を数える方法や、意見をテーマごとに分類するカテゴリ分析が用いられます。
これにより「サービスの対応が遅い」「デザインが分かりにくい」といった具体的な改善要望を把握でき、新たな課題の発見にもつながるのです。
最近ではテキストマイニングやAIを活用して自動的に分類する仕組みも普及し、効率的な処理が可能になっています。
一方で、回答が長文化するため集計に時間を要する点はデメリットといえるでしょう。
それでも、自由記述から得られる顧客インサイトは貴重であり、数値データと組み合わせれば施策改善に大きく役立ちます。
アンケート分析の手法
アンケート分析は、単純集計やクロス集計にとどまらず、統計的手法や機械学習的な手法も幅広く活用されます。
ここからは、それぞれの手法を詳しく解説します。
決定木分析
決定木分析とは、データをツリー構造に分岐させて「どの要因が結果に影響しているか」を明らかにする手法です。
例えば「20代男性なら購入意向が高い」「50代女性なら低い」といった分岐を作ることで、要因を直感的に把握できます。
特徴は、統計に不慣れな人でも図を見れば理解しやすい点です。
顧客の離反予測やクロスセル提案など、マーケティングの現場でもよく使われます。
ただし、分岐を細かく設定し過ぎると過学習になり、実際のデータには適合しにくくなるリスクもあります。
そのため、シンプルな構造を心がけ、他の手法と組み合わせて利用することが推奨されます。
主成分分析
主成分分析とは、多くの変数を少数の要素(主成分)にまとめてデータの構造をシンプルに捉える手法です。
例えばアンケートで「価格の満足度」「品質の満足度」「デザインの満足度」といった複数の設問があった場合、それらを「総合満足度要因」として集約できます。
これにより、ばらばらの指標をまとめて全体像を理解しやすくなるのが特徴です。
顧客分類やブランドイメージ調査、人事評価など幅広い領域で活用されています。
主成分をグラフ化すると、似た特徴を持つ回答者のグループを視覚的に把握することも可能です。
ただし、主成分の解釈には統計的な知識が必要となり、必ずしも直感的に理解できるとは限りません。
それでも、多変量データを整理して本質的な要因を浮き彫りにする点で、主成分分析は有効な方法といえます。
アソシエーション分析
アソシエーション分析とは、データの中から項目同士の関連性を見つけ出す手法です。
代表的な例として「Aを購入した人はBも購入する」といった購買行動の組み合わせを発見できます。
これはマーケティングの現場で、レコメンドエンジンやクロスセル施策、店舗の棚割り設計などに活用されています。
よく使われるアルゴリズムに「アプリオリ法」があり、膨大なデータの中から一定の出現頻度や信頼度を満たすルールを抽出することが可能です。
例えばコンビニでは「おにぎりとお茶」「パンとコーヒー」といった組み合わせが知られており、商品の配置や販促戦略に役立ちます。
ただし、この分析で得られるのはあくまで相関関係であり、因果関係を直接示すものではありません。
また、データ量や閾値の設定によって結果が変わる点にも注意が必要です。
クラスター分析
クラスター分析とは、似た特徴を持つデータを自動的にグループ化する手法です。
主に階層クラスター分析と非階層クラスター分析の2種類があるため、次で詳しく解説します。
階層クラスター分析
階層クラスター分析は、データの類似度を基準に段階的にグループ化していく手法です。
分析結果は「樹形図(デンドログラム)」で表され、データがどのようにまとめられていくかを視覚的に理解できます。
例えば、少数の顧客データを対象に「購入頻度が近い人」「評価が似ている人」を順次まとめていくことで、グループの関係性が見えてきます。
特徴は、グループ化の過程が分かりやすく追跡できる点です。
一方で、データ数が多い場合は計算量が増え、複雑化するというデメリットがあります。
非階層クラスター分析と比較すると、小規模データの探索や初期分析に向いているといえるでしょう。
顧客層の理解や製品カテゴリの把握など、シンプルな構造把握に役立ちます。
非階層クラスター分析
非階層クラスター分析は、あらかじめ設定したクラスター数に基づいてデータを分類する手法です。
代表的な方法に「k-means法」があり、各データを最も近いグループに振り分けながら分類を繰り返します。
大量データを効率的に処理できるのが大きな特徴で、顧客の購買履歴や行動特性を基にした分類に広く活用されています。
ただし、類似度をどの基準で設定するかによって結果が大きく変わるため、分析者の判断が重要です。
また、分類数を誤ると本来の特徴を捉えられないリスクもあります。
主成分分析や自由記述のテキスト分析と組み合わせれば、より精度の高い顧客理解につながります。
非階層クラスター分析は、マーケティング施策やターゲティング戦略を練る上で有効な手段の一つです。
時系列分析
時系列分析とは、時間の流れに沿ってデータの変化を捉え、過去から将来を予測する手法です。
売上や顧客数の推移、SNSの反応数など、時間による変化を追うことで、トレンドや季節性を把握できます。
例えば小売業では「夏は飲料の売上が増える」といったパターンを確認でき、在庫管理や販促施策に生かすことが可能です。
代表的な予測モデルに「移動平均法」や「ARIMAモデル」があり、将来の需要予測に活用されています。
短期的にはキャンペーン効果の確認、長期的には市場全体の成長予測など、幅広い場面で役立ちます。
数式を使わなくても、実務ではグラフ化して視覚的に変化を確認するだけでも有益です。
変化をいち早く捉えることで、改善策の迅速な立案につながります。
自由記述分析
自由記述分析とは、アンケートで自由に書かれた意見や感想を対象とする分析手法です。
数値データを扱う場合と異なり、文章データも整理して意味を読み解く必要があります。
回答者の背景や本音を把握でき、顧客体験の可視化や数値では表れない課題の発見に役立ちます。
定量的な集計と組み合わせることで、分析の信頼性も高まるでしょう。
数値の回答の分析
自由記述の中でも数値回答を分析する際は、基本統計量を活用するのが一般的です。
具体的には平均値・中央値・最小値・最大値・標準偏差といった指標を算出し、全体の傾向やばらつきを把握します。
例えば顧客満足度調査で平均点だけを確認すると、一部の極端な値に左右されて誤った結論を導く恐れがあります。
中央値や標準偏差を併せて見ることで、より正確に全体像を理解できます。
箱ひげ図やヒストグラムを用いた可視化は、数値の分布を直感的に把握するのに有効です。
また、サンプル数が少ない場合はデータが偏りやすいため注意が必要です。
NPS(ネットプロモータースコア)などの顧客満足度指標と組み合わせると、施策改善に直結する分析が可能になります。
テキストの回答の分析
文章データを扱う場合は、アフターコーディングとテキストマイニングが代表的な手法です。
アフターコーディングでは、自由に書かれた回答を意味ごとに分類し、分析に使えるコードを作成します。
一方、テキストマイニングは自然言語処理を用いて単語や文節を解析し、出現頻度や共起関係を可視化する方法です。
例えば「接客」「待ち時間」「価格」といったキーワードの頻度を調べれば、満足度や不満の要因が見えてきます。
顧客の声を基に改善点を発見し、商品開発やサービス向上に生かせるのが大きなメリットです。
近年はAIや専用ツールの活用により、大量のテキストデータを効率的に分析できるようになっています。
こうした手法を組み合わせれば、数値データだけでは見えない深いインサイトが得られます。
アンケート分析を実施する際のポイント
アンケート分析を成功させるには、実施前後でいくつかの注意点を押さえる必要があります。
以下で詳しく解説します。
信頼できるデータなのかを確認する
アンケート分析を始める前に、データが信頼できるかどうかを確認することが重要です。
まず、回答数が十分であるかをチェックしましょう。
少な過ぎると結果が偏り、正しい傾向を示さなくなります。
また、回答者の属性が母集団に近いことも大切です。
例えば特定の年代や地域に偏ったサンプルでは、結論を一般化するのは難しくなります。
有効回答率を確認したり、回答者属性の分布をグラフで可視化したりすることで、データの代表性を客観的に把握することが可能です。
目安として、社会調査では数百件以上の有効回答が必要とされるケースが多いですが、規模や目的によって基準は異なります。
こうした点を意識すれば、分析から導かれる結論の信頼性を高めることができます。
有効回答と無効回答で分けておく
アンケート分析を正確に行うためには、まず「有効回答」と「無効回答」を区別しておくことが欠かせません。
有効回答のみを対象にすることで分析の精度が高まり、誤った情報に惑わされるリスクを減らせます。
無効回答の例としては、設問に未回答のもの、極端に偏った回答、または「満足」と「不満」を同時に選ぶような矛盾した内容などが挙げられます。
こうした回答をあらかじめ除外するための基準を設けておけば、後からやり直しをする手間も省け、効率的に作業を進められます。
実務では「無効回答チェックリスト」を作成して、データクリーニングの工程に組み込むとスムーズです。
ただし、都合の悪い意見を恣意的に削除してしまうと信頼性を損なうため、公平な基準に基づいた対応が重要です。
データは全体から細部の順に確認する
アンケート分析では、まず全体像を把握し、その後に細部を掘り下げる流れが効果的です。
最初に単純集計で回答全体の傾向を確認し、大きな流れを掴みます。
その上でクロス集計を行い、性別や年代といった属性ごとの違いを仮説に基づいて検証すると、より具体的な示唆を得られます。
自由記述回答についても、いきなり個別の回答に目を向けるのではなく、まずは全体で多く出ている意見やキーワードを確認してから詳細を読み込むのが効率的です。
細部から分析を始めてしまうと、全体像を誤解する可能性が高まり、施策判断を誤るリスクがあります。
順序を守ることで、情報を整理しながら仮説検証が進められるため、分析の質が向上します。
データの相関関係を明らかにする
アンケートデータの価値を高めるためには、設問同士の相関関係を把握することが重要です。
例えば「Aの商品を購入した人はBの商品も高評価している」といった関連性が見つかれば、クロスセル施策や新サービスの開発につなげられます。
相関関係の分析には散布図を用いた可視化や、アソシエーション分析のような手法が有効です。
ただし、相関関係が見つかったからといって必ずしも因果関係を意味するわけではありません。
「広告を見た人が購入した」という事実があっても、広告が直接の原因とは限らない点には注意が必要です。
こうした関係性を適切に解釈すれば、マーケティング戦略や商品改善に実務的な示唆を与えてくれます。
伝わりやすいグラフにする
分析結果を効果的に伝えるには、適切なグラフを用いることが欠かせません。
例えば、棒グラフは項目ごとの比較に適しており、折れ線グラフは時間の推移を示す際に有効です。
円グラフは割合を直感的に伝えられ、帯グラフは構成比を明確に示せます。
さらに散布図を使えば、データ同士の相関関係を視覚化できます。
集計結果を度数とパーセンテージの両方で示すと、より理解が深まります。
また、色使いや凡例の明確化によって誤解を防ぐ工夫も大切です。
ExcelやBIツールを活用すれば、誰にでも分かりやすい資料を効率的に作成できます。
グラフは複雑にし過ぎると逆に伝わりにくくなるため、シンプルさを保ちながら状況に応じて最適な形式を選ぶことが重要です。
まとめ
アンケート分析は、顧客理解を深め、商品やサービス改善につなげる強力な手段です。
単純集計で全体を把握し、クロス集計や自由記述の分析で深掘りしていく流れが基本です。
さらに、相関関係の把握やグラフによる可視化を行えば、結果を分かりやすく共有できます。
これらの手順を押さえることで、顧客理解や施策改善に確かな効果を生み出せるでしょう。
TDSE株式会社が提供する「KAIZODE」は、こうしたアンケート分析を含む高度なデータ解析を支援するサービスです。
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